専門家も見たことがない怪現象
ホタルの理解をこのように深めますと、次に見たときの印象も変わってくると思います。ただ、我々にとって馴染み深いゲンジボタルですが、ホタルを長年研究される川野さんも希少価値マックス、私もまだ見たことありませんという現象があるんです。それがこちら、「ほたる合戦」です
川野さん
「ほたる合戦っていうのは、いろんな古文書とかにも出てくるし」

川野さん
「どういう現象かというと、数百匹の多分オスと思われるホタルが固まって火の玉みたいになって、この火の玉みたいなホタルの塊が5~6分ふわふわ飛ぶらしいんですよ。それが空中でボーンとぶつかって散る、その現象が専門的な用語で言えばほたる合戦です」

川野さん
「国語辞典に書いてあるほたる合戦はあの川の左岸と右岸で点滅を合わせるみたいなのが言われてますけれど、あれは僕らが言うほたる合戦ではないんです。僕らが言うほたる合戦っていうのは、この塊の火の玉みたいなのが飛ぶという。『気持ち悪いのを見たんだけどあれは何だ?』っていう連絡がたまに入るんです。その話を聞けばやっぱり全部ほたる合戦なんです」
優雅を超えて恐怖とも言えるほたる合戦。

川野さん
「世界のホタルでも知られてないっていうか、他のホタルではないんですよ」
ほたる合戦が現れる条件とは
古文書によると、月明かりと雨風がなく、湿度が高く蒸し暑い夜にほたる合戦は現れるそうです。

川野さん
「普段いっぱいホタルがいるところに行ったらホタルがいなくて、下の方で止まってて、それが一斉に飛び上がって火の玉を作るって書いてあるんですけれど、暖かくて蒸し暑いってことは少なくとも6月の初期、発生前期じゃなくて本当に発生後期の6月中旬ごろで、そういうときを狙っていろんなところを僕も行くんですけど、未だに見られない」
そんな川野さんが目撃したほたる合戦に最も近かった瞬間がこちら。美祢市で撮影した映像なんですが、画面右側にホタルが大量に集まっていくのがわかりますか。このまま球体になるかと期待したそうですが、このあと散らばりほたる合戦を見ることはできなかったそうなんです。…
普段いるはずのホタルがいないなって思ったら突然一斉に飛び出してバスケットボールくらいの球体になるらしいんですが、相当なサイズですよ。このほたる合戦を見たことある方いらっしゃいますか。いないですよね。だって川野さんも見たことないんですから。
6月中旬が狙い目
ぜひ今年はホタル合戦を見ようっていうふうに意識してみていただきたいと思うんですがこちら見てください。
ホタルが多く飛ぶ条件っていうのは、月明かりが弱く、風雨がない、湿度が高く、蒸し暑いときで、VTRにもありましたようにほたる合戦は発生後期の6月中旬が狙い目なんじゃないかということで、奇跡的に動画が撮れたらぜひmixのスクープ投稿にお寄せいただきたいと思っています。
ホタル鑑賞のときは暗いですから足元に気をつけてください。以上、ホタルを語る2025でした。