「なんでもないことが幸せだった」強盗殺人罪で無期懲役の女性
リクエストを募るのは年に1度だけ。それでも約400通が集まります。どれも幸せな頃の記憶や家族への思いなどが記されていました。
もう1人のディスクジョッキーはフリーアナウンサーの向井千恵子さん。番組の締めくくりはこのリクエストを選びました。
(受刑者のリクエスト)「特別なことがなくても穏やかな日々を過ごせる事が一番の幸せだということをこれからも忘れずに歩んでいきたいと思いますのでお願いします」
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この受刑者が選んだ曲は、THE 虎舞竜の「ロード」。
(リクエストを読み上げる向井千恵子さん)「歌詞の『何でもないようなことが幸せだったと思う』というのが今は胸に突き刺さります」
リクエストしたのは強盗殺人罪で無期懲役の62歳のYさん。知人の借金の保証人になり金銭トラブルの末、その知人を殺害してしまったといいます。
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(強盗殺人罪 無期懲役 Yさん)「自分の弱さが引き金になった。弱さゆえにこうなってしまった。もっと人に相談したり、いろんな考えをもっていたら、きっとこういうことにはならなかった。いつも見栄を張って生きていた」
ここに来て20年以上がたちます。逮捕されたとき10歳だった娘とはもう連絡が取れません。
(Yさん)「学校に送り迎えしていたこととか、なんでもないことだけど、手をつないで歩いたこととか、公園に行ったこととか、幸せだったんだなとすごく思います。反省とかひと言で終わるようなことではない気持ちでいてます。自分の命にかえてでも取り返しのつかないことをした」
♪ロード/THE虎舞竜
何でもないような事が 幸せだったと思う なんでもない夜の事 二度とは戻れない夜
犯した罪や歩んできた人生を振り返る時間になっている刑務所ラジオ。そうして得た「気づき」こそが、受刑者の更生につながるのかもしれません。















