「デザイン経営」という言葉をご存じですか?これは経済産業省と特許庁が2018年から推進している、「デザインを企業価値向上のために活用する経営のこと」です。

経営のトップが、製品などのデザインに深く関わることで、企業ブランド向上や競争力の強化などの効果が期待できます。

「デザイン経営」でどんな変化が生まれるのか「もうひとホリ」します!

◆大胆なデザインのパンフレットで成功した新卒採用7人

熟練の目利きで選んだ魚をスーパーや飲食店に卸す、創業66年の仲卸会社です。

 副社長の本間雅広さんは、若い世代の採用に力を入れてきましたが思うような結果が出ていませんでした。

・一鱗共同水産 本間雅広 副社長
「市場で売るのが基本的な仕事なので、外回りとかもそんなにないし、(採用は)縁故採用みたいのが、多分ほとんど」

そこで、6年前、初めて採用パンフレットを作ることにした本間さん。

 できあがったパンフレットは、魚をかたどった大胆なデザインです。

屋号の「ウロコ」をポップに配置し、ページをめくると、働く社員の思いが、躍動感のある写真とともに記されています。

このデザインを担当したのが、札幌市で中小企業のブランディングを手がける、デザイナーの江川南さんでした。

・一鱗共同水産 本間雅弘 副社長
「ノーマルのだけはやめてくださいみたいな指示をしたと思うけど」

・RESUPPORT 江川南 代表
「そうですね、思いだけあるみたいな。こんな魚のパンフレットを見たことがないと言ってくれたりしたので、見る人が面白がってくれる手ごたえはあった。経営者と話をする中で経営者の思いや言葉をデザイナーが整理する」

このパンフレットを使い始めてから、新卒社員7人の採用に成功しました。

 一鱗共同水産 小島航さん(新卒2年目)
「ちょっと魚の形をしたパンフレットがあって、それを見ておもしろそうだなと思った/(就職サイト情報だけで会社を受けたか?)いやー、正直存在を知らなかったと思う」