“速さと安さ”か“品質”か…政府と卸売業者の食い違い

江藤大臣の時代に放出された備蓄米の流通を早めるように求める小泉大臣。これに対し、卸売業者は「そう簡単にはいかない」と言います。

コメ卸売会社「食協」武信和也 社⻑
「やはり消費者の口にあった、おいしいお米を作り上げるのが、卸の使命だと思っております」

小泉大臣の掛け声とともに店頭に並びだした随意契約の備蓄米は、古い玄米を精米しただけのもの。通常の銘柄米と比べ、味が落ちることは否定できません。

コメ卸売会社「食協」武信和也 社⻑
「やはり1年2年経ちますと劣化ですね、コメ自体の力がなくなったり、また臭いがね」

「食協」では、まず備蓄米を試食して味を吟味。古い米でも違和感なく食べられるよう、他の銘柄米とブレンドして出荷するという手間をかけているのです。

こうしたブレンド米の店頭価格は、5キロで3500円ほどになっています。小泉大臣は、その値段を巡って…

小泉農水大臣(3日)
「やはり今の現状を考えたら、より消費者の皆さんに手に取りやすい価格で、店頭に並べていただきたい」

小泉大臣自ら、ブレンド米も値段を下げてほしいと言っている状況に対し…

コメ卸売会社「食協」武信和也 社⻑
「ブレンド米という中で広島県内産の(60キロ)3万円4万円以上のものを買って、コメが足りない中で備蓄米にまぜていく。赤字になりますので出来ないですね」

ブレンドする銘柄米が高騰している以上、価格を下げるのは難しいといいます。

一方こうした中、6日からは大手スーパーが独自にアメリカから輸入したコメの販売も始まりました。

小泉大臣は、このままコメの高騰が続き備蓄米が底をつけば、政府としての輸入も辞さないといいます。

小泉農水大臣(6日)
「緊急輸入。こういったことも含めて、あらゆる選択肢を私は持って向かいたい」

市場をけん制したともいえる発言。その思惑通り、一般の銘柄米の価格も下がってくるのでしょうか。