金融の大シフト時代 「リアル×デジタル」で勝負

──3メガバンクで預金集めの動きが活発化しているが、りそなならではの戦い方や差別化の方法は?

メガバンクの動きは非常に学ぶところが大きいし、着目していかなければいけないが、我々も我々なりの生き方、勝負の仕方はある

これまで掲げてきたが、やはりキーワードは「リアルとデジタルの融合」。りそなは地域密着型で営業店を800以上展開し、私企業としておそらく国内最大。一方で、日常の金融は明らかにデジタル・データ化が加速するなかで、顧客と100%デジタルで繋がっていくことが重要。ただ「特別なリアルの瞬間」というのは必ずあるので、日常の金融はデジタルで、特別なリアルの瞬間には金融が持つ深いソリューションを営業店で提供していくことが我々のスタイルになっていく

そのためにも、営業店など「リアル」は人材やデータでコンサルティング能力を格段に向上させ、「デジタル」はUI・UXでお客様に選ばれるようにして、二つの強い軸が融合していく世界観をいかに作っていくか。りそなが持っている繋がりの強みやコンサルティング能力、10年来かけて磨いてきたデジタルの知見やノウハウをいかに顧客に合うかたちで提供し続けられるかが大事なポイントだ。

──メガバンクもデジタルに巨額を投資しているが、差別化のカギになるのはリアルでの密着力ということか?

一つの柱はやはりそうだ。地域密着で得られているリアルの情報も当然あるし、デジタルから得られる高頻度・広範囲のデータもある。データの質・量が上がれば、今までぼやけていた顧客の輪郭がはっきりしてくる。予測の精度が上がれば、日常の金融や特別なリアルの瞬間の精度も上がっていく。リアルとデジタルの「トータル」で地域の顧客にどういう価値を提供できるか、どういう体験を提供できるかが我々の勝負のポイント

広がる「金融×通信」 ポイント経済圏の“活用”は?

2024年11月 みずほFG・楽天グループ共同記者発表会

──みずほFGは楽天経済圏、三井住友FGはPayPay経済圏と、ポイント経済圏を巻き込んだ競争が増えているが、そこに加わる予定や構想は?

決済という軸を真ん中に置いた経済圏や、非金融も含めたいろんな価値を提供していくことがいま大きな流れの一つになってきている。我々も全く同じような感覚を持っている。

ポイント経済圏って一言で言うとすごく大きな話だが、我々のグループで当然ポイントはあるし、これがどういう繋がりを持って広がっていくのか、顧客にとってどういう価値や利便性があるのかを研ぎ澄ましていかなければいけない。「リアル」も含めて、しっかり考えていかなければいけないところだ。