「本格的にこの分野で攻勢をしたい」
先月27日、リテール戦略発表会でこう意気込んだのは三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤宏則社長。視線の先にあるのは前を行く三井住友FGの「Olive」だ。銀行口座とクレジット・デビットがカード一枚に集約され、アプリで一括管理できる利便性が若者らの心をつかみ、利用者は2年で500万を超える大ヒットに。それを追う三菱UFJがこの日発表したのが、総合金融アプリ「エムット」で、カードのポイント還元率は最大20%を打ち出した。

2025年5月 MUFGリテール戦略発表会

預金量トップの最大手が躍起なのにはワケがある。植田日銀が利上げで“金融正常化”を進めるなか、「預金」の重要性が増しているからだ。預金獲得競争では高い金利水準のネット銀行もライバル。業績絶好調のMUFGですら亀澤社長が「今のままずっとNo.1を保っていけるのか…」と危機感を示すほどの混戦模様なのだ。

こうしたなかで「リテールNo.1」の実現を目標に掲げてきた、りそなホールディングス。この混戦を勝ち抜く戦略はあるのか、南昌宏社長に直撃した。