◇《遠くなる原爆の惨状…被爆者が語る核廃絶の願い》

 去年、ノーベル平和賞に選ばれた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)。被爆者の立場から、核廃絶を訴え続けてきました。

日本原水爆被害者団体協議会 田中熙巳(てるみ)代表委員
「一発の原子爆弾は、私の身内5人を無残な姿に変え、一挙に命を奪いました」

 去年12月、ノルウェーの首都オスロで行われたノーベル賞の授賞式。日本被団協の田中熙巳(てるみ)さんは壇上で、自身の被爆体験と核廃絶に向けた強い思いを語りました。

田中さんは13歳の時に長崎で、爆心地から約3キロ離れた自宅に居て被爆。5人の親族を失っています。

日本原水爆被害者団体協議会 田中熙巳(てるみ)代表委員
「核兵器は、一発たりとも持ってはいけない…というのが、原爆被害者の心からの願い」

ただ、被爆者の願いの中、今もなお世界には、1万2千発もの核弾頭が存在しているとされます。


戦後80年となり、被爆者たちが高齢化し、壮絶な体験を知る世代が減っていく中、どう原爆の記憶を未来へ繋いでいくのか…それは大きな課題です。