福島第一原発の事故をめぐり、東京電力の株主が旧経営陣に対し「事故の対策を怠った」などとして東電への賠償支払いを求めた裁判の控訴審で、東京高裁は13兆円超の賠償を命じた一審の判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。株主側は判決を不服として最高裁に上告するとしています。
この裁判は、東電の個人株主らが勝俣恒久・元会長ら旧経営陣5人に対し、「事故を予見でき、対策を講じるべきだったのに怠った」などとして、東電に23兆円を超える賠償金を支払うよう求めたものです。
裁判の主な争点は、▽巨大津波の襲来を予測できたのかどうか、それに、▽対策をしていれば、事故は防げたのかどうかです。
一審の東京地裁は2022年、旧経営陣が「巨大津波を予見することができ、対策をしていれば重大事故を防げた可能性があった」として、旧経営陣の4人にあわせておよそ13兆円の賠償金を支払うよう命じました。
この判決を不服として双方が控訴して始まった控訴審では、株主側が旧経営陣の責任を追及した「一審の判断は維持すべき」と訴えた一方、旧経営陣側は改めて、「津波による事故発生を予見することはできなかった」などと訴えていました。
東京高裁はきょう(6日)の判決で、13兆円超の賠償を命じた一審の判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。
判決の言い渡し後、傍聴席からは「何でなんだ」などと判決内容を批判する声が上がりました。
株主や弁護団は判決後、東京高裁前で「不当判決」と書かれた籏を掲げ、高裁判決を不服として最高裁に上告すると明らかにしました。
勝俣恒久・元会長は去年10月に亡くなり、裁判は遺族が相続人として承継しています。
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