半導体製造大手・TSMCの第2工場の着工時期をめぐる発言が波紋を広げています。発言に翻ろうされる国や熊本県、木村知事は、自ら説明に赴く可能性も示唆しました。

午後1時、父の日を前に

6月5日、満面の笑みで園児からバラの花束を受け取った木村知事。来週日曜日(6月14日)の「父の日」を前に、熊本市の園児たちが「県のお父さん」代表として木村知事のもとを訪れました。

熊本県 木村敬知事「はい、ありがとう」

終始笑顔だった木村知事は、園児たちに対し「お世話になっている人に感謝の気持ちを持ってお花を贈ってほしい」と伝えました。

この笑顔の3時間前…

木村知事は、記者会見で説明に追われていました。理由は、半導体製造大手TSMCのトップ・魏哲家(ギ テツカ)CEOの発言です。

TSMCは熊本県菊陽町の第1工場の東側に第2工場を建設する予定ですが、着工時期については当初「2025年3月までに」としていたものを、その後「2025年内」に変更しています。

TSMCの子会社・JASMによりますと、魏CEOが6月3日の株主総会後の記者会見で、着工時期の変更理由について「渋滞緩和策を考えてもらうための時間が必要だった」と話したということです。

しかし、6月5日の会見で木村知事は「着工時期の変更理由」として「交通渋滞が挙げられたわけではない」との認識を示しました。

熊本県 木村敬知事「TSMCないしJASMの認識として、魏哲家CEOは『渋滞があるから延期する、している』とは言っていないということです」

年内の着工は変わらないとの見通しを強調した木村知事。ただ、「TSMCの最高幹部が、渋滞問題と、それに対する地元の不満を心配していることは大事なポイント」として、懸念の払拭に向けて、今後自らTSMCに説明する可能性も示唆しました。

木村知事「TSMCの幹部のみなさんに、いま地元でどういう渋滞対策をやっているのかを、これからも機会があれば報告していって、場合によっては私が直接説明することを含めて理解を得ていきたい」

JASMは、5日のRKKの取材に対し「渋滞を含むいろいろな準備が必要で延期した。無期延期はない」としています。