◆緊急対策の一方で「廃業する農家」も
福岡県は、肥料価格の上昇分を補助する緊急対策を今年6月から実施していますが、すでに廃業する農家も出てきているといいます。

電照菊農家 柴田悟史さん「そういう経費がかさんで生産をやめていく方とかですね。作物を変えるとか…高齢になってきた方はやめられますし、労働力確保が難しければ別の仕事を探す方もいらっしゃいます」
◆格安肥料を“再生リン”で開発
RKB小畠健太「菊を育てるために必要な電気や重油など、あらゆるモノが値上がりしている中で、今回生産コストを大幅に下げることができる新しい肥料が開発されました」
福岡市東区の和白水処理センターです。集まってくる下水からごみのほか、赤潮を引き起こす植物プランクトンの栄養となる「リン」を取り除いています。

和白水処理センター 佐々木友幸所長「こちらの施設は国土交通省が開発した技術の施設で、国内導入1号機になります。この施設のおかげでリンの回収量が大幅に増えました」
リンの回収設備を更新したことで、これまで年間10トンだった回収量は8倍以上に増えました。福岡市は、この「リン」を有効活用できないかと、新たな肥料の開発をJA全農ふくれんに提案。JA全農ふくれんが開発した家畜のフンの堆肥を混ぜ込む技術も活用して、新たな肥料「eグリーン」が完成し、今年9月から販売を開始しました。
地域でとれる原料を使うため、価格も抑えられています。