バレーボールチームSVリーグ女子のSAGA久光スプリングスの中田久美新監督(59)が4日、サロンパスアリーナで就任会見を行った。

9年ぶりの監督復帰となった中田新監督は「SAGA久光スプリングスは、本当に私の人生の中で大きな起点となるチーム。身が引き締まるといいますか、緊張感を持って臨みたい」と心境を明かした。

チームの印象について「個人的には非常にポテンシャルのある選手が揃っている。戦う集団としてまだまだ伸びしろがあると思いますので、そのあたりを選手たちスタッフと一緒に作り上げていければ」と話した。

去年から新設されたバレーボールSVリーグで、SAGA久光スプリングスはレギュラーシーズン3位。「選手個人の個性というものを尊重しながらも、やはりチームとして一体感を持って、構築していきたい」と目標とするチーム像を見据えた中田新監督。

今季の女子日本代表にはSAGA久光スプリングスから、深澤めぐみ(21)、北窓絢音(20)、荒木彩花(23)、西村弥菜美(25)の4人が選出された。「私はリーグ優勝は通過点だというふうに思っています。あくまでも世界と戦える選手を1人でも多く輩出したいっていうことをどれだけ選手たちに伝えられるか、またそういう目標を持って取り組んでもらえる選手をどう育てるのかっていうところが私の使命でもある。中途半端なことをせず、しっかり選手たちの夢をサポートできるように頑張ります」と世界も見据えた。

続けて「私達はこれからまた新しい挑戦に挑んでいきます。一歩ずつですけども、確実に前進していきますので、引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします」とファンへメッセージを送った。

現役時代は史上最年少の15歳で全日本代表に選出され、1984年のロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得。五輪には3度出場し、バルセロナ五輪では日本選手団の旗手を務める大役を果たした。1997年に現役引退をした後は、海外のチームでコーチを経験し、2011年にSAGA久光のコーチに着任。2012年から2016年まで監督を務めた。2016年に行われたリオオリンピック後、日本代表監督を務め、東京五輪後退任していた。

SAGA久光は5月13日に酒井新悟監督(55)が契約満了により今季限りで退団することを発表していた。

■中田久美(なかだ・くみ)
1965年9月3日生まれ、東京出身。ポジションはセッター。
史上最年少となる15歳で日本代表に選出