“韓国最大のスラム街” 住宅の様子は?

 韓国社会で広がる高齢者の「貧困」。さらに深刻な場所がソウルにあります。

 (取材班リポート)「高層ビルが建ち並ぶ江南というエリア、その近くには、スラム街と言われる場所が残っています」

 韓国・ソウルの「九龍(クリョン)村」。“韓国最大のスラム街”とも呼ばれる場所です。地元の人などによりますと、村は1980年代以降、韓国各地から失業した人たちなどが集まって作られ、今も300世帯ほどが生活。そのほとんどが高齢者だと言います。村内では家庭菜園をしている様子もみられました。
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 中には村の掲示板も。取材班が歩いていると、ここに住む80代の女性に出会いました。

 (女性)「(Qなぜここに住み始めましたか?)家がないから」
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 この村にある建物を500万ウォン(約50万円)ほどで購入し、20年間、住み続けているという女性。年金だけでは少ないため介護の仕事をし、生計を立てています。実際に住んでいる場所を案内してもらうと、家の中には洗濯機やエアコンのほか、レンジやテレビもあります。さらにキッチンもあり、料理もできるようです。
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 その一方で、室内をテープで補修した跡があるほか、天井が傾いています。ほかにも、トイレは共同のため部屋にはなく、シャワーは玄関に設置されていました。とても快適とは言えない住環境。それでも女性はこの村から出ることは考えていません。

 (女性)「(Qすぐ目の前には高層ビル街があるが違いについては?)あの人たちと我々は関係がない。お金がない人はあれを見て何も思わない。年をとってお金もないので楽に生きています。(Q大統領選があるが、政治に何を望みますか?)国のために働いてくれる人に(大統領に)なってほしい」