運動大好きな少女 デフサッカーとの出会い

西戸湖乃華(このか)選手、23歳。福島市で生まれ育ちました。福島市内の企業で会社員をしながら、代表選考に向けて練習に励みます。

日本代表候補の西戸選手

この日は、サッカー経験者の同僚と会社のグラウンドで練習です。所属する地元のフットサルチームの練習は週1回しかないため、そのほかの日は個人で練習をしています。

同僚・生江竜也さん「見ての通り普段は笑顔が素敵なんですけど、仕事ではきりっとした顔立ちで、責任感が強い子で、何事も一生懸命、向上心がある子だなと、見ていていつも感じている」

生まれつき聴覚に障害があるため、普段は人工内耳と補聴器を付けて生活し、外すと、ほとんど何も聞こえないといいます。小さいころから運動が大好きだったという西戸選手。いろいろなスポーツを経験しました。

小学3年生から6年生までは補聴器を付け、聞こえる状態で通常のサッカーをプレー。中学校はソフトボール部に入りました。その中でも、一番好きだったのは高校から始めた陸上の「やり投げ」でした。

西戸選手「記録がどんどん伸びていく積み重ねが楽しかった」

ただ、大きな大会の前に大切な肩をけがしてしまったといいます。

西戸選手「めっちゃ落ち込んで、大事な大会でけがしてしまっていても出たいという気持ちがあって、出てみたんだけど記録が思い通りにいかなくて、その場で泣いていました」

悔しい思いを残したままやり投げを断念。そのとき出会ったのが、デフサッカーでした。

小学生時代は聞こえる状態でしかプレーしたことがなかった西戸選手。デフサッカーをやってみて、その怖さを感じたといいます。

西戸選手「全く聞こえない世界でスポーツをやって、すごくびっくりした。ボールだけに集中してしまって、そのときに周りからぶつかられたことがあってすごく怖かった」