出雲市の山陰道で車3台が衝突し、9人が救急搬送され1人が死亡、小学生の男の子が意識不明の重体となる事故が5月31日発生しました。
現場は片側一車線の区間で衝突事故を防ぐ「ワイヤーロープ」は設置されていませんでした。
一体、なぜなのでしょうか。
死亡したのは、浜田市の無職の女性(65)です。
31日午後2時半頃、出雲市の山陰道で、女性の夫(71)が運転し、大田市方面に向かっていた乗用車が対向車線にはみ出し、2台の車と衝突しました。
この事故ではみ出した乗用車の助手席に乗っていた女性が死亡し、2台目に衝突した車の後部座席に乗っていた福岡県北九州市の男子児童(7)が意識不明の重体となっています。
記者 土江諒
「今回現場となった場所には、ラバーポールはあるものの、ワイヤーロープは設置されていませんでした」
現場は、4車線化を計画している「暫定2車線」の区間。
こうした区間では重大事故防止のためワイヤーロープの設置が進められていますが、山陰道を走ってみると設置されていない箇所があります。
その理由について。
国交省松江国道事務所 山本実課長
「アスファルトの厚みが8センチほどしかないのに2.6メートル位までに根入れを入れる(ワイヤーの基礎を打ち込む)必要性がございます。構造上、どうしても橋梁とかトンネルとかっていうのは設置が難しくなると。」
橋梁やトンネル内ではワイヤーロープの支柱を深くまで打ち込むこめないため、ゴム製のラバーポールが設置されているといいます。
去年8月には鳥取市の鳥取自動車道のトンネル内で乗用車が対向車線にはみ出し、トラックと正面衝突して3人が死亡する事故も発生しています。
こうした状況を受けネクスコは「センターパイプ」「センターブロック」などワイヤーロープに代わる柵の設置を進めています。
国交省松江国道事務所 山本実課長
「対策の方はですね、またこれから考えて行く必要があると思うんですけど、今のところはなかなか難しい所がございます。」
警察は今後、はみ出した乗用車を運転していた男性の回復を待って、詳しい調べを進める方針です。