「特性に応じたプログラム」拘禁刑 仕組みは

高柳キャスター:
拘禁刑導入によって、受刑者の特性に応じて、24のグループに分けて対応されるということです。
例えば…
▼「薬物犯罪者」
依存症回復の治療を重視したプログラム
▼「高齢受刑者」
身体機能を向上させるプログラム
▼「若年受刑者」
更生教育の比重を重くしたプログラム
井上貴博キャスター:
これまでは、“秩序”を重んじるために、「基本的には全員同じ対応を行い、管理していく」ということでしたが、「1人1人の特性に応じて対応することで再犯率を下げていこう」という流れになったということですね。
個人的には、この大きな方向性には賛成ですが、きめ細やかさを実現するために、不足する刑務官をどう増やすのかという点や、根本的に「そんなにきめ細やかにする必要があるのか」という声に、どう対応・説明するのかという点は気になります。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
「きめ細やか」なのか「システム設計をきめ細やかにした」のかは別だと思います。
一番の問題は「厳罰によって再犯率は減ったのか」という点だと思います。
犯してしまった罪を償うことはとても大事ですが、一方で、いつか受刑者が外に出るときに必要なのが「自立」と「自律」でしょう。
経済的な「自立」と、自分を“律する”意味での「自律」。つまり、自分をしっかりコントロールして生きる能力を持ち続けるかということです。
罪を償いながらも自立・自律を続けていくための支援が必要だという意味ならば、再犯は防いでほしいということですよね。
出水麻衣キャスター:
「塀の中にいる方が過ごしやすい」と思う受刑者が出てこないかという疑問も生まれたりします。