この土俵から見る景色は一生の宝物です
そして、観客およそ7000人が見守る中、力士として最後の一番が行われました。
取り組みの相手は共に稽古に励んできた弟弟子、大関・琴櫻です。
見事なすくい投げで勝利し、笑顔で土俵を後にしました。
続いて行われた断髪式。
同じく延岡市出身の松田丈志さんなどおよそ280人がまげにはさみを入れていきます。
妻・ゆかりさんや両親もはさみを入れ、そして、最後に師匠・佐渡ヶ嶽親方が大銀杏を切り落とします。
(場内実況)
「まさに宮崎の宝という言葉にふさわしい力士人生に、今、別れを告げます。止めばさみです」
土俵から最後のあいさつ。
(琴恵光)
「17年間共に戦ってくださった皆様、本当にありがとうございました。きょう、この土俵から見る景色は一生の宝物です」
佐渡ヶ嶽親方「よく頑張ったな。あの小さな体でよく頑張ったな」
断髪式を終えた琴恵光、髪を整えます。
(琴恵光)
「散髪って…中学生ぶり。皆さんに喜んでもらえて、自分はすごくうれしい。(最後の言葉には)感情が表に全面に出た。抑えれなかった」
まげ姿ではなくなった夫の姿に妻、ゆかりさんは
(妻・ゆかりさん)
「新鮮ですね、ちょんまげがないと。お疲れ様でした。ご苦労様でしたと言いたい」
この後、引き続き行われた式典では、先日、横綱に昇進した大の里も土俵入りをし、花を添えました。
17年間で1043回、土俵で戦い続けた琴恵光。
その才能を見出した佐渡ヶ嶽親方は。
(佐渡ヶ嶽親方)
「最初、スカウトに行ったときはまだ小学生だったので。ワンパク相撲をみて、『この子は何だろう』惹かれるものがあった。(琴)恵光は本当に真面目で立派な力士だった。そういう力士を最もっと育ててほしい。よく頑張ったな。あの小さな体でよく頑張ったな」