随意契約による備蓄米が首都圏を中心に流通し始めました。
気になる今後のコメ全体の価格について、専門家は備蓄米が与える影響は直接的には少ないとして、わずかな値下がりにとどまると予想しています。
大都市を中心に流通し始めた随意契約による備蓄米。
5キロ2000円台のコメに長蛇の列ができ、多くの店で完売が相次いでいます。
今後、コメの価格はどうなるのでしょうか。
宮崎大学農学部の山本直之教授は、「備蓄米の流通量はあまり多くないので、直接的な効果は小さい」とした上で、次のように話します。
(宮崎大学農学部 山本直之教授【農業経済学】)
「銘柄米については、あまり影響はないと考えていますけれども、備蓄米の値段に引っ張られるような形で若干値下げの影響はあるかなと思っています」
また、新米への影響は・・・
(宮崎大学農学部 山本直之教授【農業経済学】)
「(今年は)若干豊作というような言われ方をしていますので、値は落ち着いてくると考えております。ただ、農家の生産者の皆さんが再生産できるいうことを考えれば、やはり3000円台が必要」
現在、市場には、大きく分けて3つのコメが流通しています。
ブランド米に加え、江藤前農水大臣による入札による備蓄米、そして、小泉農水大臣が打ち出した随意契約による備蓄米です。

随意契約による備蓄米の流通は宮崎県内はこれからで、そして、入札による備蓄米も県内では数が少なくなっています。
備蓄米の入札はこれまで3回行われていて、このうち2回目と3回目の入札に参加した県内のコメ卸業者は「2回目の入札分の備蓄米を小売業者に出荷できるのは今週分で最後になると見ている」と話しています。
そして、3回目の入札分の入荷は今月下旬の見込みになるということです。

県内では、まだ入札による備蓄米が届ききっていない状況を受け、業者は「政府が随意契約による備蓄米をスピーディーに流通させようとしたことは理解できるが、入札分の方もスピード感を持って対応してほしい」と話していました。

小泉大臣は「選択肢が増える」と発言していましたが、地方で選択肢が増えるのはまだ先になりそうです。
※MRTテレビ「Check!」6月2日(月)放送分から