甘い香りでピリリと辛い 環境にやさしいピィパーズ。八重山地方の特産品の1つで、スパイスとしてだけではなく、植物の特性をいかし、あることに活用され始めていますー

那覇市にある八重山そば専門店。人気メニューの1つ、骨汁に振りかけているのは…

「コショウ代わりにこのヒハツを使います」
「体の中が、ぱ~っと温かく熱くなるような」
「まず匂いがいいのと、後からくるピリ辛感が。中身汁とか昔から使われていたらしくて、沖縄の汁物には合うのかな~と」

コショウの仲間・ピィパーズ。東南アジアが原産のスパイスで、地域によって呼び方は異なり、ピパーチ、フィファチなどと呼ばれています。シナモンのような甘い香りと、さわやかな辛みが特徴で、料理の味を引き立てます。

宇根良則さん
「きょうぐらいから丁度、いい具合に実が太ってきていますね」
宇根良則さんは定年退職を機に15年前、実家があった本部町に農園を開きました。ピィパーズのとりことなり、自宅のある那覇から週に2日は、この農園に通っています。

宇根良則さん
「ルンルン気分ですね。楽しいですよ。沖縄で獲れた国産コショウとして日本国民に喜ばれる食品に成長していけると思います」
温かい場所で育つため、国内ではほとんど栽培されていませんが、沖縄では古くから親しまれてきました。

食材の効能や食べ合わせなどを記した、琉球王国時代の書物には「ヒハツはコショウなり。辛く温く、中を温め心腹(むねはら)の冷痛を治す」と記されています。

宇根良則さん
「薬草として昔から言われていまして。健胃作用、胃腸にいいという作用だとか、体温を温める、新陳代謝機能を高めるそういった効用が特に言われている」
琉球王国時代から、スパイスや薬草として利用されてきたピィパーズ。近年は、植物としての特性を生かし、あることに活用され始めています。