▼太田区・銘苅宗一さん
「魚がいっぱい獲れるということは、皆がちゃんと資源管理をしているということ。小さな魚は逃がすなど、きちんと守って魚に優しくしてください」

「ヒアガラサー」が始まると、我先にと魚を探しに駆け出す子や、残った水たまりに足を取られないよう蛇行しながらゆっくりと進む子などそれぞれのやり方で漁を楽しんだ。

大物を取った子どもも!

この日獲れた魚は例年よりも少なかったそうだが、素早く動く魚を追いかけたり、大物を見つけた大人が子どもたちが到着するまで魚を見失わないようにする姿など
大人も子どもも全力で楽しむ姿が見られた。

参加した子どもたちは…
「いっぱい生き物がいる綺麗な海、ゴミもなくきれいな海ですって伝えたい」
「魚もおいしいし、夕陽がめっちゃきれいだからそういう海が好きです」

地元の海への愛を十分育んでいるようだ。

 * * *

往復約2キロの漁を終えた後は、地域の漁師による捌き方の授業。これも世代を超えた交流で美しい海をつなぐ大切なきっかけのひとつ。慣れない手つきで包丁を扱い、いのちと向き合う。

捌き方を学ぶ


「ヒアガラサー」の舞台は、環境省の「日本の重要湿地500」の一つに選定されている屋嘉田潟原(やかたかたばる)。

景観の良さに加えて、干潮時には対岸へ歩いて行けるほど干満の差があり、貝類や甲殻類など多様な種が生息する豊かな湿地帯だ。その一方で屋嘉田潟原は、沖縄特有の赤土流出の危険に晒される海でもある。

▼南恩納区・仲嶺真樹区長
「我々が小さい頃、開発がどんどん進んで行ったり、赤土の汚染があった。今でも一部あるが、様々な取り組みを通してじっくりこの海を大切にしようと」

当たり前にあるように思える海の豊かさは、地域住民一人ひとりがその大切さを理解しながら守っているからだと仲嶺区長は強調する。

「沖縄の海というのは綺麗だというイメージがあると思います。それは普通に、偶然に維持出来ているものではありません。こちらに来られるときは、そういう地域住民の努力や営みがあることを理解していただけたら」