この3年の食料品値上げの凄まじさ

それにしても改めて感じるのは、この間の価格上昇の大きさです。2022年からの3年半で『6P』は、365円から476円へと、額面価格で30%、内容量の減量を加味した実質では38%もの値上げとなりました。毎日の食卓に上る生活必需品の上昇としては、凄まじい数字です。この間、賃金が38%も上がっていないことを考えると、実質所得の目減りの大きさがわかろうというものです。物価高対策に国民の関心が集まるのは当然です。

増量値上げの時代は来るか

さて『6Pチーズ』、1954年の誕生時は170グラムあったそうです。その後、消費者の嗜好の変化や、デフレ時代の消費者の厳しい価格許容度もあって、少しずつ減量され、前述のように2022年には102グラムにまで小さくなりました。

消費者マインドがインフレ時代に本当に変化するのであれば、値上げの際に、逆に増量することがあっても良いはずです。「価格は上がるけど価値も上がっているのです」というフレーズが、アピールにもなり得るからです。

『6P』が再び大きくなる時代が、いつかはやってくるでしょうか。

播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)