コメの価格や国の政策は今後どうなるのでしょうか?
専門家は、いまが転換期だと話し「政策の見直しが前倒しで進むのではないか」という見解を示しました。


大町市で開かれた農業振興の研修会。コメへの関心は高く、農業や行政の関係者など会場がいっぱいとなる80人余りが参加しました。

元農水省事務次官の渡辺好明さんは「コメの需給・価格動向と今後の行方」というテーマで講演を行い、コメ不足の時代に入っていることを指摘。

所得を維持するためには、「輸出にも目を向け、国際的な常識になっている農家への所得補償を行うべきだ」と主張しました。


参加者との質疑応答では…。

大北地区農業振興推進協議会 宮澤敏文会長:「備蓄米が5キロあたり2000円、こういう中でコメの適正価格が維持できるのだろうか」

元農水省事務次官 渡辺好明さん:「2000円の備蓄米の話、これはショック療法。こういう状態が正常化されることを願っています」

農家:「北海道と東北中心に目安値を超える面積を作付けしているようだが」

元農水省事務次官 渡辺好明さん:「増産の規模は数量に落とすとプラス40万トン。プラス40万トンというのは僕はまだ足りないと思う」

これからの農政や輸入米の見通しについても質問が相次いだ研修会。

29日から5キロ2000円程度を目指す備蓄米の放出が始まりましたが、関係者はー。

農家:「消費者においては安いコメを提供するのが本来の形。ただし、生産については肥料の高騰とか機械の高騰などもありますので」

JA関係者:「今までどおりのことをやらずに変化というのを、これからJAとしても検討していかないと」