長野県栄村で今月、およそ330キロの玄米が民家の倉庫から盗まれました。県内で確認されたコメの盗難はこれが3件目で、被害に遭った男性が悔しさをにじませながら胸の内を語りました。

「中へどうぞ」
栄村堺のコメ農家・斎藤正春さん87歳。
今月上旬、自宅1階の倉庫にある保管庫から去年収穫した30キロ入りの玄米11袋、およそ330キログラムが盗まれました。
盗難被害にあった斎藤正春さん:「まさか俺のところで俺のコメが盗まれるとは思っていなかった。なんで俺のところのコメが盗まれなきゃならないんだ」

斎藤さんは、近くの水田およそ2ヘクタールでうるち米やもち米を栽培。
被害に遭った時期は、あぜの草刈りや田起こしをしていたと言います。
盗難被害にあった斎藤正春さん:「学校出てからそれ(コメ作り)しか仕事してない。(コメは)そういう(大切な)ものだと思っている」
自宅の戸締りはしていたものの、倉庫や保管庫は施錠しておらず、斎藤さんは農作業で家を離れている日中に盗みに入られたのではないかと推測しています。
盗難被害にあった斎藤正春さん:「やるせないと同時に、シャッターの鍵をかけておけばいいのに、かけておかないばかりに狙われた」

斎藤さんはシャッターの施錠や、防犯カメラの設置など、対策を考えています。
警察によりますと、県内ではほかにも2月から4月ごろにかけて、佐久市の空き家に保管されていた30キロ入りのコメ5袋が、また下伊那郡内の住宅では先月、30キロ入りのコメ3袋が盗まれる被害がありました。
警察は転売目的の可能性もあるとみて、捜査しています。