「たたかうと決めた」母が撮り続けた、わが子の写真
「小児がん」と告げられてから、母・佳緒里さんは、毎日、希一くんと家族の写真を撮りました。「何が起こるか、わからない」という不安にかられながらも、「1日1日の“希一”を残しておきたい」と思ったからです。



治療は辛く苦しいはずですが、写真を見ると、“笑顔”で写る希一くんの写真が目立ちます。希一くんは、両親には、つらいそぶりを見せませんでした。
◆母・佳緒里さん
「もとから明るい性格なんですけど、病気のこととかもあって、私たちが感じ取れない“辛さ”を、看護師さんたちは感じ取っていて…」
◆父・君裕さん
「自分がしんどい思いをしているとは思う…。我慢していて、それを親に見せないから…。『見せても、もっと甘えても、いいのに』と思うけど、見せないよね」
◆希一くん
「家族には、時々、面会でも会えたけど…。やっぱりずっと一緒におりたかったし、早く家に帰りたかった」
両親には気丈に振る舞いながらも、寂しさを感じながらの入院生活。「治療をやらんと、終わらんき」そんな思いで、希一くんは治療を受け続けました。
そして、治療を始めてからおよそ半年が経った、2024年9月。希一くんは、より高度な手術を受けるため、東京の病院にいました。