両親が息子"泰"に注いだ"愛"とは・・・

父・貴さん「小学6年の時に『プロ野球選手になります』とみんなの前で宣言して。とんでもないこと言うなと・・・こんなことできっこないと思ったんですが、宣言通りになってビックリですよ。」

夢を叶えた息子・泰。そこにはたっぷりと注がれた親からの愛がありました。
故郷・岐阜にある自宅のすぐ隣。父が営む会社の工場があったこの場所が小学生だったある日、父の手によって室内練習場に変わりました。

当時の様子について4歳上の兄・省一さんははっきり覚えています。
兄・省一さん
「サプライズで父親が作っていて、野球の練習が終わったか何かのタイミングで、『どうだこれは』っていうので見せてもらったんですけども、僕よりも弟の方がはしゃいでるような感じで、これはすごいっていうので。」

父・貴さん「きっと2人とも喜んでくれるだろうなという思いでね、必死になってやったのを覚えてますね。」
佐々木泰選手
「(父は)野球未経験っていたじゃないですか・・・未経験の割にめちゃくちゃ指導してきたんですよ。」

愛を注いだ息子はカープのドラフト1位として、プロの世界へ。しかし・・・オープン戦で太ももを痛め開幕は2軍スタートでした。
1軍デビュー当日、活躍を目に焼き付けようと広島へやってきましたが素直な気持ちは・・・
父・貴さん「今度も大丈夫かなと思って。あんまり力を入れすぎると同じことにならないかと心配していますけど。」

不安を抱く親が見守る前でのデビュー戦。打席ではノーヒットに終わりますが、サードでスタメンの佐々木泰。もう1つの武器「守備」で、2万人を超えるファンを沸かせます。
そしてプロ2試合目となった5月22日。両親の広島での観戦最終日、佐々木に待望の一本が飛び出しました。

佐々木泰「これまで野球をさせてもらっていましたし、恩返しをしたいと思っていた、(ボールは)両親に渡そうと思っています。」