コメの価格高騰が続く中、いま注目される「備蓄米」。6月早々にも、5キロ2000円台で店頭に並ぶ見通しとなっています。こうした状況に、福島県内のコメ農家は…。

湯川村のコメ農家・鈴木正之さん「農家としては、あまり安い値段のコメが出回っちゃうと不安ですよね」

こう話すのは、湯川村でおよそ30年にわたってコメをつくるコメ農家の鈴木さんです。

鈴木さん「(これまで)赤字赤字の連続です。やっと、なんとか生活できるようになったような感じ」

これまで農家にとって厳しい状況が続き、物価高騰で農機具や肥料といった農業経費が上がる中、今の価格でようやく採算がとれるようになってきたといいます。一方、今回の備蓄米の放出について、今年は新米の買い取り価格に大きな影響はないだろうと話します。

鈴木さん「長続きしないと思うんですよね。一時的なもの。そんなに備蓄米あるわけじゃないですから。近くのスーパーで5キロ2000円のコメが売っていた、じゃあ買おうかという人もいますし、おいしいコメ(新米)がいいよねという人もいるんです。ですから、一概に安いから売れるということは私は思っていません」

その一方で、来年度は、全国的なコメの増産や、価格高騰によるコメ離れなどから、供給過多となり、新米の取引価格に影響が出る可能性があるのではと不安の声を漏らします。

鈴木さん「国の方も政策として農家も困らない、消費者も困らないような、値段というか適正価格。不自由なく作れる、買えるという方向にしてもらいたい」