東日本大震災の後、人口が5分の1に減った宮城県女川町の離島、出島(いずしま)で、福島県の元中学校教諭が、島に観光資源を作ろうと奮闘しています。定年退職後の、男性の挑戦を取材しました。

■離島に観光スポットを!元中学校教諭が奮闘

女川町の離島、出島です。この島であるイベントが開かれました。


高野信さん:
「ストーンサークル探検ツアー、パート12にご参加いただきまして、ありがとうございます」


福島県郡山市の元中学校教諭、高野信さん(64)。この出島で、「探検ツアー」を企画しました。

目的地は、島の西側にある出島遺跡。縄文時代の土器片などが見つかったこの場所で、ボランティア参加の10人に草刈りをしてもらったほか、新しい案内看板も取りつけました。

遺跡には、不思議な形で石が配置されている「配石遺構群」があります。高野さんは、出島に新たな観光スポットを作ろうとしています。

配石遺構群

仙台市からの参加者:
「(出島は)落ち着きますね。山の香り、土の香り、鳥の声を聞きながらゆっくりできる」


高野信さん:
「海が見える素晴らしい景色はどこにでもあるが、出島独特のものはこれまで観光地化されていなかったところ。自分たちが手をかけることでもっと魅力的になってくる」


女川町の沖合いに浮かぶ出島。人口は、震災前の5分の1以下となる90人にまで減りました。病院や商店はありません。本土と結ぶ巡航船は1日3便です。


島民:
「若い人といっても、現在島に住んでいる人で60歳ぐらいになる。(島の生活は)楽なところはない」


高野さんは、2019年までの37年間、福島県で中学校教諭として働き、校長も経験しました。

出島には、5年前、島出身の上司と墓参りに訪れたのが初めてでした。その時、ある「出会い」がありました。