■高野さん、民宿のボランティア営業マンになる
高野さん、出島のある場所の景色に心を奪われたのです。以来、毎週のように、5時間以上かけて郡山から通っています。
高野信さん:
「海に元々憧れていたのはあるが、その海がこのような形で見えるこの景色には圧倒された」

その景色がこちら。高台の「民宿いずしま」から望む太平洋です。


遠くは金華山も見渡せます。海がない郡山に暮らす高野さんにとって、この景色は唯一無二の存在です。
「民宿いずしま」は、島に1軒しかない宿泊施設です。

経営者は、仙台市から移住した佐藤淳さん。休業していた民宿の経営を引き継ぎ、2018年3月に再開させましたが、「復興特需」の終息などで赤字経営を強いられています。

民宿いずしま 佐藤淳さん:
「(経営は)悪いですね。コロナ前から悪いんですけど、さらに悪くなった」

この民宿で、高野さんはボランティアの営業マンをしています。島を訪れた人たちとの意見交換では、観光客を呼び込むためのアイデアを披露しました。

高野信さん:
「完全に整備されたところではなく、自分たちで整備することを(出島への)ひとつの誘客の材料にしようと思う」

高野さんは、今年9月までの3か月間、女川町のNPOが主催する創業支援のプログラムを受講しました。年内中に一般社団法人を立ち上げ、出島での活動をさらに充実をさせるためです。

高野信さん:
「(一般社団法人は)いろいろな体験活動を提供することをやっていきたいので、それに参加した人にここに宿泊してもらう。(島で)やることがあるというものを作り出して、宿泊需要を増やしていく」


高野さんの活動を大きく後押しする事業が進んでいました。