この時期、長野市周辺で旬を迎えるのがタケノコの「ハチク」です。ところがここ数年、生産者はイノシシの被害に悩まされています。

平日でも広い駐車場が埋まる長野市信州新町の道の駅。人気の理由は農産物の直売コーナーです。


買い物客:「安曇野市ではネマガリダケは売ってないんですよ」「定番のサバの水煮と(食べる)」
買い物客:「昔からネマガリダケが大好きなんで。(道の駅は)もう何十年も通っています」
買い物客:「きゃらぶきにするフキ。今日はめずらしくサンショウの実があったんですよ。ジャコと一緒に(食べる)」

朝、採れたばかりの野菜や山菜が種類豊富に並ぶ中、いま一番の旬は、淡竹(はちく)です。信州新町で収穫される特産品。アクが少なくさっぱりとした味わいが評判で、並ぶそばから売れていきます。

買い物客:「淡竹のためだけに来ました」
買い物客:「ちくわとコンニャクとニンジンなどをボンボンと切って煮つけます」


タケノコは種類も多く、信州新町では4月下旬から6月下旬ごろにかけて太めの孟宗竹(もうそうちく)から始まり、アクが少ない淡竹、ほどよい歯ごたえの真竹(まだけ)へと旬がリレーしていきます。


道の駅 信州新町 高山隼さん:「出始めたのは1週間から10日ほど前、徐々に出始めてきました。煮る、焼く、揚げるなどして味わってほしい」

さらに、道の駅に併設されているそば店でも。この時期のおすすめは、打ちたて茹でたてのそばと一緒に味わいたい淡竹の天ぷらです。

宮入キャスターリポート:「シャキシャキとした食感、そして天ぷらにすると甘味が際立ちます。おいしい」


タケノコ好きの信州人にはうれしい季節。しかし産地では最近、困ったことが起きています。

淡竹の生産者:「動物にやられた。イノシシとか。ほじくり返して食べてしまう」


例年よりも多いというイノシシによる被害。生産者のひとり、金田昭雄さんに山へ案内してもらいました。

淡竹の生産者 金田昭雄さん:「これみんなイノシシの跡。この穴を掘った。イノシシがかじった」

金田さんが指し示したのは、収穫間近の淡竹があった場所です。イノシシに掘り返された穴の近くには、皮だけが残されていました。地面から顔を出したばかり、あるいは収穫時期を迎えた淡竹の先端部分が狙われるといいます。


ほかにも金田さんの心配は、淡竹の成長に必要な雨。ここまでは少なめということで「雨後のタケノコ」となるよう今後の天候に期待しています。

金田さん「(どんなふうに味わってもらいたい?)サバ缶と煮て食べてほしい」