機長のサービス精神が?

次の悲劇は翌3月5日のこと。しかも前日事故で羽田空港で着陸できず福岡に回された旅客機によるものでした。
英国海外航空BA911便(ボーイング707型)は、改めて向かった羽田から香港に向かって再出発しましたが、富士山上空で空中分解。飛行機は墜落し、乗客乗員124名全員が死亡しました。

(3)墜落する機体から出る白煙(左)とバラバラになった機体(右)。

事故原因は富士山の「山岳波」と呼ばれる強烈な気流に巻き込まれたことによる尾翼の破壊だと見られています。山に近いルートを選択した機長の判断は「富士山を間近にご覧下さい」という乗客へのサービス精神からだったのではないかと推測されています。

4機目は訓練機、そして5機目…

夏には8月26日、羽田空港で日本航空の訓練機コンベア880が離陸訓練中に墜落し、職員5名が死亡しました。離陸直後の片エンジン停止を想定した訓練中に操縦ミスが重なったとされています。

(4)相次ぐ事故に航空各社はパイロットの再訓練を行いました(左)ところが、その訓練機が事故に(右)。

さらに11月13日、全日空AN533便(YS-11型機)が松山空港沖に墜落し、50名全員が死亡。新婚旅行中のカップル12組を含む乗客が全員犠牲となったのです。

(5)5機中2機が全日空機という事実に「また全日空」という非難も生まれました(画像は羽田沖のもの)。

事故原因は不明のままです。当時ブラックボックスが未搭載だったことが原因究明の壁となっています。また遺体捜索中のヘリが空中衝突して4人が死亡する二次事故も発生しています。