◆労使間の話し合いが不十分


・流通経済大学(交通政策) 板谷和也教授
「労働側と経営側の間で、きちっと話し合いができていないのではないかと言われていた。昨今の工事状況を見ていると(話し合いが)十分ではなかったのかなと思っていて、さらに会社の中での改善が必要だろうと思う」

◆今回の監査をきっかけに改善へ

・堀啓知キャスター
トラブルの中にはJR北海道の経営状況や、そして社内事情など様々な要因があるみたいですけれども、今回の監査をきっかけに改善の道へ進んでいけるのか、ということだと思います。

都合の悪いことを隠してウソの報告をする、というのは今回だけじゃなく過去にも起きているので、信頼回復が遠のいてしまったのかなという気持ちになります。

◆2014年には「常設監査体制」、2020年は「安全アドバイザー会議」

・森田絹子キャスター
今回2年間の監査が始まったJR北海道ですが、長期にわたる監査というのは初めてではありません。

2013年に大沼駅で起きた貨物列車脱線事故で、レール幅のデータ改ざんが発覚しました。

これを受けて2014年から5年間にわたって国が「常設監査体制」をとりました。

これは、国からの業務改善命令と監督命令の取り組み状況を確認するというものでした。

その後JR北海道は、2020年に「安全アドバイザー会議」というものを設置し、外部の有識者から業務の安全について助言と指導を受けます。

また、社員にも報告の重要性を再確認するパンフレットを配布するなどして、安全意識を高めてきました。

◆JR西日本の福知山線脱線事故から20年

・堀啓知キャスター
脱線事故を教訓に取り組んできたはずなんですが、昨年末からまたトラブルが続いているということになります。

今年の4月には、JR西日本の福知山線の脱線事故から20年という節目だったわけですけれど、事故の後、遺族は今でも苦しんでいます。

やはり、人命に関わる大きい出来事が起きてからでは遅いんですよね。ですので、安全教育、安全対策に早急に取り掛かってもらいたいなと思います。

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