◆見張り担当者が、保線作業に加わる
今月9日には、北海道・長万部町の函館線で、見張りの担当者が、見張りをせずに保線作業に加わっていたことがわかりました。
さらに15日には運転士の操作ミスで札幌駅で列車が急停止し、乗客6人がけがをしました。
国への改善報告後にも、安全に関わるトラブルが続いたことで、国交省は、今回の「強化型保安監査」に踏み切りました。
安全軽視ともいえるトラブルは、なぜ続くのでしょうか?JR北海道の現役社員は…


◆人員不足と若年退職の影響
・JR北海道の現役社員
「人員不足と、若年退職が影響していると、ひとつは思いますよね、例えば、見張りを配置したとしても、作業人員が少なくなっているので、どうしても、負荷がかかったり、見張り員が作業に参加してしまう風土って、あるんじゃないですかね。若年層退職が多いもんですから、どうしでも中間層が育たない…それもあって技術的なこと安全的なことが社員の知識で高まっていかない…」
専門家は、今のJR北海道の経営状況が背景にあると指摘します。

・流通経済大学(交通政策) 板谷和也教授
「特に黒字経営がなかなか見込めない状況である以上、例えば人手が不足したときに、それを改善するための効率化が必要なわけだが、そのための投資も十分にできないような状況で、毎年経営を繰り返していることを考えると、本当に抜本的な改善を社内だけでできるかというと、ちょっと疑問符がつくところ。少しでも人手不足とか投資不足とかが改善できるようにしていく必要がある」
そして、今の社内の空気を、現役の社員はこう語りました。
・JR北海道の現役社員
「話し合える、コミュニケーションとれるような職場にしようや、会社にしようやっていうような雰囲気に、本社含めてなってないからこういうことが起きるんですよ」
板谷(いたや)教授も労使関係の改善が安全対策につながるといいます。
