価格高騰の影響は「米粉」にも

三原市大和町の特産品「おこめん」。町内で生産されたコメ粉から作る麺で20年前、製品化されました。小麦を使わないグルテンフリーの食品としても注目されていて地元の「おこめん工房」では年間40万食を生産・販売しています。ところが…。
おこめん工房 井掛雅祥代表
「今まで大和町内の農家さんに作っていただいていたが、主食用米の方が価格が高いため、米粉用米の入手がすごく困難な状況になっている」
そんな中、工房のお膝元萩原地区の農業法人「ファームはいばら」が米粉用米の作付けに同意しました。
ファームはいばら 岡田正治理事
「米粉用の生産は収入的にもどうかな?というのは、役員間でもあった。よそが作られないという中、工場や維持もあるし、付き合おうと。誘致して、来ていただいた会社なので」
実は、三原市は中四国最大の米粉用米の産地です。
「米粉の里プロジェクト」を展開する中で、8年前には大和町内に県内の製粉メーカーの工場も誘致しました。「ファームはいばら」の供給先は「おこめん工房」と製粉工場の2カ所ですが、ほかの地区が栽培を主食用米に切り替える中、作付面積を去年より3ヘクタール増やしました。

ファームはいばら 岡田正治理事
「やっと定着したところで、ここで打ち切ると大変なことになるだろうと。増産をかけようということになった」
取り組みの背景には「おこめん工房」の決断もありました。
ファームはいばら 岡田正治理事
「ふつうの米粉じゃなくて、うるち米に合わせるように、米粉用米も何とかしようっていう、手取りが変わらないようにしようっていうのは一つ出てる」
おこめん工房 井掛雅祥代表
「原材料が入って来ないと経営もできないので、工夫をしながらうまく乗りきっていきたい」
さらに、年収を上げる提案もしました。
おこめん工房 井掛雅祥代表
「いろんな産業の中央値が450万といわれている。中央値を超えるような価格帯を私たちは買い取っていく。短期ではなくて長期で」
原料確保の危機に立たされた「おこめん」。新たな農業のモデル作りで、生き残りをかけます。