兵庫県の斎藤知事を告発した元県民局長の私的情報の漏えいについて、第三者委員会は「知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と指摘しました。それに対し斎藤知事は…。

「私としては、改めて漏えいに関する指示はしていないという認識に変わりはありません」と、斎藤知事は委員会の指摘を否定しました。

この2時間前に始まった兵庫県の第三者委員会の会見。調べていたのは、斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発した元県民局長の公用パソコンに保存されていた、私的情報を誰が漏えいしたのかということでした。

第三者委員会 工藤涼二 委員長
「(井ノ本元総務部長が)秘密を漏えいしたと認められるとの結論に達しました」

第三者委員会は報告書の中で、3人の県議に対して情報を漏えいしたのは元総務部長で知事の側近とされた井ノ本知明氏と認定しました。

当初、否定していたという井ノ本氏。しかし今年2月、第三者委員会に対して提出した弁明書で一転して漏えいを一部認めたということです。また、弁明書には新たにこんな主張が付け加えられていました。

井ノ本氏
「知事および元副知事の指示に基づき、総務部長の職責として正当業務を行ったにすぎない」

斎藤知事と片山元副知事から漏えいの指示を受けたというのです。その場には元幹部職員が同席していたといい、第三者委員会の聞き取りに対して元幹部職員は「斎藤知事から井ノ本氏に元県民局長の私的情報について、議会に根回ししたらいいんじゃないかという趣旨の発言があった」などと証言したということです。

加えて、片山元副知事も自身による根回しの指示を認めたことから第三者委員会は「知事及び元副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と指摘しています。

一方、漏えいの指示については、かたくなに否定した斎藤知事でしたが、自らの処分について…

兵庫県 斎藤元彦 知事
「今回の情報漏えいが起きたことについて、組織の長として責任を感じております。給与のカットも含めて検討していきたい」

自らの処分について初めて言及したものの、裁判官を務めた弁護士らで作る第三者委員会が下した今回の判断は、これまで以上に兵庫県政に大きな影響を及ぼしそうです。