中止したイベントで保護者への未返金などが問題となっている子ども向けの英語の交流キャンプを巡り、宮城県は27日に主催する旅行会社を立ち入り検査しましたが、不在で実施できませんでした。県は、返金などの行政指導に対する報告がされていないとして、行政処分に向け具体的に検討しています。

旅行会社「ハローワールド」の事務所が入る仙台市青葉区のビルには、27日午後、旅行業法に基づく立ち入り検査のため、宮城県の職員3人が訪れました。

大槻聡記者:
「県の職員が旅行会社の事務所に立ち入り検査に入りました」

我妻優記者:
「3階にある事務所ですがブラインドが閉められていて、中を伺うことはできません」

しかし、事務所は不在で、詳しい検査は実施できませんでした。

県観光戦略課 松本裕紀課長:
「法令違反行為について、改善の確認を取ることはできませんでした。この事実を持って、改めて持ち帰って可及的速やかに今後の対応を検討したい」

県は、5月1日にもハローワールドへの立ち入り検査を行っていて、5月23日までに債権者のリストを提出したうえで、全額返金するよう行政指導していました。

しかし、これまでに返金は確認されず、報告がないまま連絡も取れないため、27日に通告なしの検査に踏み切ったということです。

県観光戦略課 松本裕紀課長:
「こちらからの電話では、やり取りはできていない。メールは返ってくることもあるが、改善への報告などはない」

ハローワールドが主催した子ども向けの英語の交流キャンプでは、中止したイベントで保護者への返金がなされず問題となっています。県は、旅行業の登録取り消しや業務停止命令などを検討していて、今後、速やかに行政処分案を作成します。

その後、意見や質問の機会を与える「聴聞」を公示して出頭を求め、行政処分を行う方針です。

また、仙台市に事務所がある「ハローワールド」について、日本旅行業協会は、26日に弁済業務を行うと発表しています。返金を求める人は、ホームページから必要な書類をダウンロードして、申請する必要があります。
審査を経て認められれば返金される仕組みです。ただし、対象は、旅行者=つまり今回の問題では、保護者だけとなり上限額は1100万円となっています。