雨水の機能性を説明するため、実験をして見せてくれた。
水道水、雨水ともに100ml入れたペットボトルに液体の洗濯洗剤を同じ量だけ入れ、2つとも同時に同じ回数だけ振ってみる。すると、雨水を入れた方だけ2倍以上の泡立ちになった。

左が水道水、右が雨水 泡立ちが全然違う

ーーこんなに差が出るんですね・・・!これならお財布にも、環境にも優しい。

笠井教授
「そうです。雨水は水道水の代替にもなるし、水道水より良い面もある。だから『汚い』っていうイメージを払拭すれば、雨に対する意識が変わって、もっと普及するんじゃないかと思っています」

■目標は『雨水を貯めて使うのが普通の社会』 サイダーは社会変化への第一歩

ーー将来、雨水を使ったり飲んだり・・・という生活になると思いますか?

「水道があるんだから、日常的にわざわざ処理しない雨水を飲む必要はないです。ただ、水道水に全部頼ってたら水道がダウンした時に対応できなくなってしまいます。水道と雨水を併用していくような、リスク分散が必要だと感じます」

笠井教授の研究室の最終目標は『雨水を貯めて使うのが普通の社会にする』ことだ。例えば家を建てるときに、トイレやお風呂などと同様に雨水タンクがデフォルトで付けられるような社会にしたいという。
そのためにも、まずは避難所になるような公共の施設にも雨水タンクを取りつけ、断水になるような災害時でも、自衛隊を待たなくてもいいような仕組みを考えている。

現在は大学内でのみ販売されている「あまみずサイダー」はそんな壮大な社会変化の一歩になることを期待されているわけだ。そんな理想を背負っているとは…改めて口にしてみると、一層爽快な味わいに感じた。