いま国会で審議が続く、私たちの年金をめぐる重要な法案。その中身が、おなじみの物に例えられています。

中身のない“あんパン”?…砂上の楼閣「年金改革」

たっぷりあんこが詰まった「あんパン」。ところが今、国会では...

立憲・野田佳彦代表(21日)
「あんこが入っていないあんパンを出してきた」

「あんパン」に例えられたのは、今国会の重要法案の一つ「年金制度改革法案」。「あんこ」と目された「基礎年金の底上げ」が、法案に盛り込まれなかったことに起因する言葉でした。

当初、底上げが議論された背景には、基礎年金が今後30年間で3割も目減りするという厚労省の試算がありました。

日本の年金制度は「基礎年金」と、会社員などが積み立てる「厚生年金」で成り立ちますが、この基礎年金のピンチを救おうと、厚生年金を活用をする案が出ています。

ところが、会社員などからは反発の声が。

街の声
「厚生年金をもらう立場としては、何をやっているんだと。なぜうちらが貯めたものを持っていくんだと」
「普通にもらえるならいいけど、(厚生年金を)分けちゃった分が少なくなるのはちょっと困っちゃう」

夏の参院選を控える自民党の参議院議員からも、「厚生年金の流用、と批判されるのではないか」と懸念の声が上がりました。

こうした年金問題は、選挙を前にした政府与党にとって極めて重要です。背景には、過去の苦い記憶がありました。