震災、原発事故から14年あまり。帰還困難区域のうち一部で避難指示が解除されている福島県飯舘村の長泥地区で、23日、震災後初めて出荷に向けたコメづくりが始まりました。

佐々木夢夏アナウンサー「長泥地区できょう行われているのは田植えです。原発事故から14年、再びこの地域のお米が食べられるようになります」

飯舘村長泥地区ではおととし、復興拠点の一部で避難指示が解除され、出荷制限の解除に向けて試験栽培が行われてきました。その結果、安全性が確認されたため、今年から出荷に向けたコメ作りを再開しました。

田植えは、住民や村の関係者などが参加して行われ、待ちわびていた営農再開の第一歩に、地元の生産者も顔をほころばせていました。

地元の生産者・庄司喜一さん「食べられるものを作れるのは、農家としては最高ですね。帰還困難区域が解除になったところ(のコメ)でも大丈夫だとアピールしたい」

23日は、およそ2500平方メートルの水田に、県のオリジナル品種「里山のつぶ」の苗が植えられました。

飯舘村産業振興課・松下貴雄課長「住民の方も、震災前の田植えを思い出しながら笑顔で楽しく植えていたことを嬉しく思う。今回は一部の水田での営農再開となったが、水田の作付けの面積を今後増やしていければ」

コメは10月ごろに収穫され、放射性物質検査を行った後、県内のJAやスーパーなどで販売されるということです。