金継ぎに必要なのは、小麦粉と漆を混ぜた接着剤『麦漆(むぎうるし)』です。割れてしまった器を麦漆を使ってつなぎ合わせます。普通の接着の仕方と違い、湿度によって固まる漆を使った金継ぎには、経験と感覚も必要だといいます

アトリエひと匙 金継ぎ師 濱元朝和さん
「時間の経過で粘りっていうものが変わってくるので、その粘りが出てきたとき塗るっていうタイミングですかね」

一年を通して湿度が高い沖縄は金継ぎに適した環境だと濱元さんは話します。

アトリエひと匙 金継ぎ師 濱元朝和さん
「沖縄は湿気があるのであの梅雨時とかは今年の梅雨とかは(湿度が)80パーセント以上常にあったのですごく硬化して、仕事がどんどんはかどりました。空気が安定してくると、硬化する時間がやはり時間がかかるので、湿度を高めるように部屋を調整します」

漆になるべく空気をいれるように伸ばして、湿度を含ませていきます。

アトリエひと匙 金継ぎ師 濱元朝和さん
「チョコレート色になるまでずっと練っていきます」

漆の色が変わったらいよいよ接着。ムラにならないよう、丁寧にのばしていきます。その後、湿度を一定に保つために濡らした布を入れた発砲スチロールの中に入れます。
漆が硬化し、ヤスリで形を整えたら、いよいよ、金粉をかけていきます。

アトリエひと匙 金継ぎ師 濱元朝和さん
「細かい作業は苦手なので大変ですよ。やはり、預かりものだからやはり神経使います。
なるべくより良く相手にお渡ししたいので。終わってもなんか気づくことが多いので、やはり、このまま出すわけにはいかんと思って手直ししたりとかします」

濱元さんの金継ぎは口コミで評判を呼び、これまで100以上の器を直してきました。

依頼者
「ちょっと大切な人から頂いたものでずっと使ってたんですけどしばらくちょっと使わないで置いてあって、久しぶりに使おうかなと思って出したところを落としてしまって、何かさらに自分にとっては本当に唯一無二の」

割れてしまった器を修理して使う金継ぎは「つくる責任つかう責任」というSDGsの目標につながっています。


アトリエひと匙 金継ぎ師 濱元朝和さん
「やはり皆さんの喜ぶ顔を見ると、これはできる限りやり続けなければいけないなと思いまして、それとやはりこの受け継ぐ人たちっていう、そういう人も作らないといけないなと考えてます」

金継ぎで割れた器に新しい景色を作るー
濱元さんの活動は続きます。