男性のDV被害の警察への相談件数が近年、急増していて、その数は18年前と比べて実に134倍にのぼっています。長年にわたり、妻から暴力などをふるわれたという男性が「地獄だった」と壮絶なDV被害の実態を語りました。
DV被害訴える男性が増加…実態と離れた社会の認識

Aさん(40代)
「顔をはたかれたりとか、菜箸で胸を刺されたり、そういうことが常日頃あった。地獄だったような印象が今でもある」
四国地方に住む、40代のAさん。およそ15年前、元妻からDVを受けたといいます。しかし、当時のAさんは…
Aさん(40代)
「男としての度量や器量があれば、この結婚生活はきっとうまくいくのではないか、そう思って毎日を生きてきたので…」
それでもDV被害は、やむことはありませんでした。
また、離婚調停を申し立てても、裁判所からは“夫婦げんかの延長”と受け取られ、DV被害をなかなか理解してもらえませんでした。

Aさん(40代)
「男が暴力受けるとか、暴言を言われるとか、そんなのってあるのと疑いをかけられる」

今、Aさんのように、配偶者や交際相手からのDV被害を訴える男性は年々増加。最新の調査では、およそ2万8000件。18年前の、実に約134倍と急増しているのです。
知られざる男性のDV被害、街の人は…
80代女性
「女性が変な意味で強くなって、男性がか弱くなったような印象はある」
70代女性
「女性からのDVは、わがままが多いのかなって感じられる」
認識は様々ですが、男性のDV被害が大きな社会問題になっていると受け止める声は、ほとんど聞かれませんでした。
しかし、実態は大きく変わってきています。去年1年間の男性からの相談件数は全体のおよそ3割を占めているのです。
身も心も限界に…元妻からのDV 壮絶な実態

およそ3年にわたり、元妻からDVを受けたAさん。交際時、暴力を一度も振るうことがなかった相手が、結婚を機に豹変したと話します。
Aさん(40代)
「炊飯器に米をセットして、炊飯のボタンを押し忘れた。彼女が起きてきてご飯が炊けていないのを知り 『ごめんごめん、今からご飯炊くからね』と私が言うか言わないかのところでビンタが出てきた。それが初めての暴力だったかなと」
仕事をしながら家事全般を担っていたAさんに対し、妻からのDVは徐々にエスカレート。
Aさん(40代)
「魚料理を食べたいと言ったので、いつも通りの味付けで提供したら『きょうはその気分じゃない』『もうちょっと味が濃いものが食べたい』と出来上がった料理をその場で捨てられ、『どうして私が思っている好みの味が出せないんだ』『本当にあなたはダメなやつだ』とののしられて、菜箸で胸を刺された。穴ができるくらいの傷ができている」
物を投げつけられたり、包丁を突きつけられたり、命の危険を感じたことも。それ以上に、Aさんの心に大きな傷として残っている事が…
Aさん(40代)
「私の両親は一生懸命に働いて、 貧しいながらも高校卒業まで育ててくれて。どこでそんなお金を貯めていたかわからないが、 結構良い時計を就職祝いに買ってくれた」
思いもかけなかった、一生もののプレゼント。肌身離さず、大事に身につけていましたが…
Aさん(40代)
「『あなたはそんな良い時計を付ける権利はない』『ちょっとそれを出しなさい』と言われて時計を彼女の前に出すと…ハンマーで叩き壊されて…。それがもう…本当に…時計が壊されたことが、すごく申し訳なくて…」

それでも当時、自分がDVを受けているとは全く思わなかったといいます。
Aさん(40代)
「彼女が怒るというのは、私の方に非があるのではないかと常日頃、私が私自身を責めていた」

身も心も限界に近づき、体重は一時、40キロ台まで落ちたというAさん。ある日、同僚女性から「夫から暴力を振るわれている」と相談を受けた際、思いもよらぬ事を言われたといいます。
同僚女性
「あなたも、DVを受けているのでは?」
Aさんはその言葉ではじめて、自身のDV被害を自覚し、離婚調停を開始。申し立てから2年半を要し、ようやくDVが認められ、離婚が成立しました。














