宮城復興支援センターが運営する英語のキャンプを巡る問題についてです。キャンプへの参加を申し込んでいたという仙台市内の男性が、tbcの取材に応じ「返金はあきらめるしかない」と胸の内を明かしました。その一方で、チラシを配った学校や教育委員会の対応に疑問を呈しました。

旅行会社と連絡取れない男性:
「怒りというか、あきらめているというのが正直なところ。電話も出ないし、(代表者が)どこにいるかもわからないので」

2025年、小学生の娘2人をキャンプに参加させる予定だったという仙台市内の30代の男性です。実は、2023年と2024年、このキャンプに娘を参加させていました。

男性:
「当日同じグループになった人に目標を発表するとか、レクリエーションを通じていろんな国の引率してくれた(外国人)ボランティアの人と交流するための資料、いろんな国の人たちとの交流もあり、プログラムや内容は良かったと思う」

男性によると、一度キャンプに参加したあとは「先行優待」の案内が届くといいます。早めの申し込みで、翌年の参加費用が安くなるのです。

男性:
「娘もそういった(参加したいという)意思もあったし、父親としても参加する意味があると思った」

男性は、2024年8月、2025年のキャンプへの参加を申し込み、娘2人分の費用として3万7400円を支払いました。

キャンプの詳しい日程は、今年3月にホームページ上の特設ページに掲載される予定でしたが…

男性:
「宮城県での参加なので、Aブロックで日程を選択したいが、現状札幌と旭川しか選択できない。他の日程が見つからない」

宮城県のキャンプの日程は、未だに掲載されておらず、旅行会社のハローワールドとは一切連絡が取れません。
返金に関しては半ばあきらめているという男性ですが、ひとつ、疑問に思っていることがあります。

男性:
「学校で配られたものは基本的に疑わない。そこでフィルターが甘くなっていたので、親としても安心して申し込みをしていた」

小学校で配られたというチラシ。県教委は、21日の県議会常任委員会で「主催者が学校に直接チラシを送っていた」と述べ、チラシの配布には関与していないとの見解を示しています。

男性:
「学校で配られるものに関与しないというのを聞いて、学校で配られるものに対して、管理しないのかと思った。2024年(去年)ですかね、業者の返金のトラブルがあって、(後援を)やめたという話があったのなら、少なくとも学校で配ったのであれば、学校側でも注意喚起があれば違ったのでは。私たちは今でも後援しているものだと思っていた」

男性も話していた通り、学校の配布物であれば、内容を疑わず信用するという親御さんが多いと思います。学校の配布物に対する教育委員会の関わり方に男性が疑念を抱くのも無理のないことだと感じました。

今回、問題が表面化しているイングリッシュキャンプは、一般社団法人「宮城復興支援センター」と旅行会社「ハローワールド」が企画・運営をしていることがわかっていますが、tbcが調べたところ、この2つの組織はともに、仙台市内の同じ事務所に入っていて、もともとの代表者は同じ人物が務めていました。このため、宮城復興支援センターとハローワールドは、実質的に同じ組織であると見られます。