先週から活動が活発化している桜島は、20日夜の連続噴火を最後に、20時間余り噴火が確認できていません。専門家は、噴火の停止はあくまでも一時的で、再び山体の膨張が進み始めているといいます。

20日夜、南岳山頂火口でおよそ50分間発生した連続噴火。気象台によりますと、桜島では今月12日から山体の膨張が続き、爆発・噴火は多い日で40回を超えていました。
しかし、20日夜の連続噴火のあと、20時間余り爆発・噴火は確認出来ていません。
鹿児島市の桜島火山防災研究所・井口正人所長は「火山活動は一時的に落ち着いている」とみています。

(井口所長)「20日夜以降は新たなマグマの供給がなく、(山体膨張が)高止まり。活動としては落ちている」
井口所長によりますと、これまでは桜島にマグマが供給されるたびに爆発・噴火して放出され、大規模な噴火に至らなかったといいます。しかし、噴火が止まったことで、そのバランスが崩れたとみています。
(井口所長)「大きな噴火の前は、噴火が停止することもある。噴火の停止は(マグマ供給と噴火の)バランスが崩れ始めた。これから新たな噴火活動へ進展する可能性がある」
こうした中、桜島では午後から再び山体の膨張が進み始めているといいます。
(井口所長)「(山体の)浅い部分にあるマグマの量が増えている状態。噴火が多い状態は数か月くらい続くことが多い」
気象台は噴火警戒レベル3を継続中で、火口からおおむね2キロの範囲で大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。