ストーカー被害を訴えていた川崎市の女性の遺体が元交際相手の自宅から見つかった事件で、警察庁の楠芳伸長官はきょう(20日)、全国の生活安全部門の幹部らを集めた会議で「批判を真摯に受け止め、しっかりと検証する必要がある」と述べました。
警察庁・楠芳伸長官
「まずはじめに、先般、神奈川県警察が検挙した死体遺棄事件について。結果として重大な事案への発展を防ぐことができなかったもので、警察庁としても重く受け止めている」
警察庁はきょう、全国の生活安全部門や地域部門の幹部らを集めた会議を開き、楠芳伸長官は会議の冒頭で、ストーカー被害を訴えていた川崎市の女性の遺体が元交際相手の自宅から見つかった事件をめぐって、このように述べました。
一連の警察の対応については「寄せられている様々な批判を真摯に受け止め、しっかりと検証する必要があると考えております」としたうえで、「被害者などの安全の確保を最優先とした対処を徹底してほしい」と強く求めました。
この日の会議ではまた、SNSを使った投資詐欺など、様々な事件の背後にいる「匿名・流動型犯罪グループ」の治安対策について、戦略的な対応を進めるよう指示。
去年1年間の特殊詐欺の被害額は過去最悪だった2014年を大きく上回り、SNS型投資・ロマンス詐欺についても被害額が前の年のおよそ3倍に増加するなど、「詐欺をめぐる情勢が極めて深刻」だと指摘しました。
そのうえで、関係機関・団体などと連携した▼国際電話の利用休止など詐欺電話を直接受けないための方策▼金融機関の取引モニタリングを活用した情報連携▼インターネットバンキングの申し込みをする際の注意喚起などの対策強化を示しました。
このほか、悪質なホストクラブに対して罰則を強化する改正風営法が衆議院の本会議できょう成立したことを受け、「実態解明を進め、犯罪収益の剥奪を戦略的に推進することで卑劣なビジネスモデルの解体を図ってほしい」と風営法改正で新設された規定を活用した取り締まりを進めるよう強調しました。
さらに、時代に即した効果的な犯罪防止に向けた取り組みの推進についても指示。
楠長官は、「最近、住民を無差別に殺傷した容疑者が逃走するといった社会を震撼させる凶悪事件が発生している」として、「積極的かつ機動的に警らや見守り活動を行うなど、住民の安心感の醸成に努めてほしい」と述べました。
このほか、オンラインゲームを含むSNSに起因する性犯罪が多く発生していることや、生成AIを利用した実在する児童の写真を性的画像に加工するなどの事例が社会問題化しつつあると指摘。
児童の性被害防止の対策について、「警察庁への報告・連絡を密に行い、必要に応じて海外の関係機関・団体との連携も考えてほしい」と指示しました。
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