2024年4月、宮崎市で練習試合中のサッカー部員が落雷に遭った事故を巡り、有識者による調査委員会が半年をかけた報告書を提出しました。

この事故は2024年4月、宮崎市のグラウンドでサッカーの練習試合中に雷が落ち、鹿本高校の男子生徒18人が病院に運ばれたものです。このうち1人は1年が経った現在も意識が完全には戻らず、入院したままです。

この事故を受けて熊本県教育委員会が設置した有識者による調査委員会が、5月20日、まとめた報告書を教育委員会へ提出しました。

報告書の内容は

報告書によると、監督たちは天気予報アプリの雨雲レーダーから天気の情報を得ていたものの、雷に特化した情報は見ていなかったとして、「客観的に落雷があり得る状況で屋外での活動を継続していた」と指摘しました。

具体的には?

事故が起こる約3時間前の午前11時35分ごろ、雷鳴が聞こえたため試合を一時中断しました。

この際、監督たちはスマートフォンの天気予報アプリの雨雲レーダーは見ていましたが、雷に特化した情報は見ていませんでした。

そして事故が起きる約10分前の午後2時20分ごろは、雷鳴や強い雨風が生じていなかったため、監督たちは天気予報アプリでの確認もしていなかったということです。

報告書では再発防止策として、気象庁の「雷ナウキャスト」を一定時間ごとに見て、発雷予測を確認することなどを求めました。

県教委の対応

報告を受けた越猪浩樹教育長は「報告書を精読した上で学校やスポーツ団体に事故の未然防止の呼びかけを徹底し、再発防止に努めていきたい」と話しました。

以下、報告書に掲載された「事故防止への提案(提言)」5つの具体例を、抜粋して掲載します。