「法律改正が必要だという理屈を強引につけてしまった」 菅政権時に6人の任命を拒否

事の発端は、5年前です。
菅義偉 総理(2020年10月)
「日本学術会議は政府の機関であり、任命される会員は公務員の立場になること。こうしたことを考えて、推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲して良いのか、考えてきた」
それまで政府は、「政府が行うのは形式的任命」と明言し、学術会議側が推薦した人をそのまま会員としていました。

ところが当時の菅政権は、学術会議が推薦した新会員候補のうち、6人の任命を拒否。
その中には、安保関連法などに反対した学者らが含まれていました。
政府は、任命拒否の理由を明らかにしないまま、学術会議のあり方を変える議論を開始。今回、学術会議を法人化する法案を提出してきたのです。
日本学術会議会長を務めた大西隆さんは…

東京大学 大西隆 名誉教授
「菅元総理が任命拒否をした。簡単に言えば、総理の間違いを取り繕うために、むしろ学術会議に何か問題があるから、法律改正が必要だという理屈を強引につけてしまった」
一方で政府は、今回の法案は、学術会議の独立性を今以上に高めるものだと主張しています。
坂井学 内閣府特命担当大臣(4月18日)
「その機能強化に向けて、独立性、自律性を抜本的に高めることを目的としており、それにふさわしい組織形態として、学術会議を法人化するものであります」
そして5月13日、法案は賛成多数で衆議院を通過したのです。