強硬派の3人は『侵攻が手ぬるい』と主張も


ーーこの強硬派はスロビキン総司令官、民間軍事会社『ワグネル』プーチンの料理番とも言われているプリゴジン氏、そしてプーチン氏の盟友チェチェン共和国のカディロフ首長、この3人はどういう繋がりなのでしょうか?
「実は今注目されているのはプリゴジンさんなんですよ。1990年代後半にはサンクトペテルブルクでレストランを経営していました。それでペテルブルクの副市長だったプーチン氏がよく通ってすごく仲良くなったんですね。その後、ロシア軍のための給食を作ったりしたんですね。それで信頼関係を築いて民間軍事会社の『ワグネル』の創設者になり、自分の軍大体2万人~3万人を作る非常に大きな力を持ってきたんですね。さらに10月25日にアメリカの戦争研究所が非常に恐ろしい報告書を書いてきて、このプリゴジンさんがプーチン大統領に非常に発言力や影響力を強めてきてていて、プーチン大統領はこの人の言うことを聞かないといけないとこまで来ていると。ロシア国防省がやっている侵攻は間違いだらけだとプーチン氏に苦言を呈したという話も出てきています」

ーープリゴジン氏はウクライナに対してはどういう考え方なんですが?
「ウクライナに対しても強硬派なんですね。今回クリミア大橋が破壊されたことで仕返しを徹底的にしていくという立場の人で、クリミア大橋が破壊された後、プリゴジンさんとカディーロフさんの2人がプーチン大統領に総司令官でスロビキンさんを任命しろと迫ったと言われています。この3人がプーチン大統領の周りで『トロイカ』ロシア語ですが3人でプーチンさんに強硬派の方に目が向くように今仕向けているという話なんですね」

ーースロビキン総司令官は核の使用も辞さないというスタンスでしたよね?
 「プーチン大統領は『核の使用は意味がない』と言っている一方で、3人の人たちはウクライナに対して『戦術核を使うべきだ』という立場の人たち、こういう人たちが勢力を拡大しているので、プーチン大統領が『核を使用しても意味がない』と言ってもバイデンさんの発言にあるように『なかなか信じられないよね』という状況なんですね」
ーー強硬派の3人は『侵攻が手ぬるい』と主張しているとうことですが、『共闘してクーデターもあるのではないか』という見解でしょうか?
 「実は3人と対国防省との対立が鮮明になってきているんですね。元々ショイグさんは仏教徒なんですよ。モスクワにある敷地も寺のような造りにしている。元々対立がありましたが、軍事侵攻がうまくいかない、ロシア軍が崩壊寸前まで追い込まれていきてる中でこの対立が鮮明になってきているわけなんですね。ですから、いざとなったら3人がプーチン大統領を引きずりおろすために共闘してクーデターをするかもしれないという話が出てきてるんですね。しかし、こういう流れの中で一般の市民たちは反戦機運がどんどん高まるですね。プーチン大統領と3人が中心となって、もしかしたら市民が市民たちがモスクワで反戦活動を活発化させるんじゃないかということで、25日~27日まで治安部隊による軍事演習に近いようなものが行われているわけですね。まさにロシア全体見れば強硬派対ロシア国防省が崩壊寸前、そして市民の中ではやっぱり反戦機運がどんどん高まっている状況なんですね」

(2022年10月29日MBSテレビ『よんチャンTV』より)