「ダルトン」「フジ」 どうしても一致できなかった部分とは?

河西邦剛弁護士:
ダルトン側とフジ側で、どこが相容れなかったのかというと、不動産事業の分離の話です。フジ・メディアHDは、テレビ事業と不動産事業の両方から売り上げを得ています。

ダルトン側としては「不動産事業を分離してほしい」という意見でしたが、フジ側は基本的に「ノー」としています。ここはどうしても一致できなかった部分だと思います。

日比キャスター:
その部分は、今後どのように進んでいくのでしょうか?

河西邦剛弁護士:
まず、今回のポイントとしてはフジ側が役員を出しました。ここで、世の中やスポンサーがどう評価するかだと思います。

ここでスポンサーが帰ってくるとなれば、フジ側は優勢になり、浮動票が集まってきて、フジ側の支持になってくるかと思います。

これでスポンサーが帰ってこないとなると、6月の株主総会で、フジ側が選んだ役員候補が選任されるのか、それともそうではないファンド側などになって対立構造になるのか。決めていくのは株主というよりも、スポンサーの動向が現実的なところだと思います。

日比キャスター:
以前から提案されていた12人を拒否したということで、6月の株主総会が荒れるのではないかという見立てもあります。

河西邦剛弁護士:
スポンサーが帰ってくれば、おそらく荒れないと思います。ただ、ここで帰ってこないとなると、ダルトン側も当然、不満を持つでしょうから新たな候補者を出したり、自分たちの役員をさらに提案したりするということがあり得るかと思います。

もし仮にバトルが続いていく場合には、株主総会に向けて、それぞれの委任状争奪戦のような、どっちが多くの支持者を集められるかというバトルになってくると思います。