シリーズでお伝えしている「信州の戦後80年つなぐ、つながる」。
長野県筑北村で、戦没者慰霊碑が地域の人々の手によって、大切に守り継がれています。

軍服姿で写真に写る男性たち。写真館で撮影したものや、武器を手にした姿。
軍服以外にも和装やスーツ姿など写真はおよそ70枚。女性の写真もあります。


筑北村遺族会・坂井支部長 小山正博さん:「悲惨さを後世に子どもたちに伝えるためにもこういうものを残しておくべきだとそういう思いがあります」


筑北村遺族会・坂井支部長の小山正博さん。
筑北村坂井地区では今月2日、遺族会の7人で清掃活動を行いました。

1972年に建立された「平和の礎」。坂井地区の戦没者113人の慰霊碑です。
遺族会では、建立後、毎年5月に清掃活動と献花を続けています。
慰霊碑の裏の階段を上ると、祠(ほこら)があります。


小山正博さん:「亡くなった遺族の方の仏様で言うと位牌なんだけど、これは神様の関係で」

並んでいたのは、仏教の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」です。
戦没者の名前が書かれています。

さらに。

小山正博さん:「お写真ある方についてはお写真を納めている祠という位置づけなんです」

祠には、霊璽とともに戦没者の写真が納められています。


宮入キャスター:「お写真拝見してもいいですか?」
小山正博さん:「皆さん遺族の方が納めていただいたと思うんだけどね。(何枚くらいあるんですか?)これが約70枚ですか」

小山正博さん:「これを作ったときに村である方は奉納っていうか納めるっていうことで集めたということだと思いますけどね」

坂井地区では年一回の慰霊にあわせ、写真を祠から出して風通ししています。

小山正博さん:「戦死された方がいて、いまの我々があるということを年に一回ぐらいは身に染みて思い起こせばいいかなということでやらせていただいているということだけですけど。まあいつまでできるか、なかなか後継者も少ないですし」