千曲市に長年親しまれてきたジャーマンアイリス園があります。園の主は、95歳の女性。しかし今シーズンで園を閉じることを決めました。その思いとはー。

パステルカラーに、黄色やオレンジ、薄紫の花々も。
彩り豊かなことから「虹の花」とも呼ばれるジャーマンアイリスです。

山崎彩奈キャスター:「これが『アバウトダウン』?」
鮒田智子さん:「うん」
山崎彩奈キャスター:「この紫のお花ですね?かわいらしい」
鮒田智子さん:「それから『ミッドナイトエキスプレス』ね。ねっいいでしょう?」
山崎彩奈キャスター:「本当にきれいですね、フリルが」
鮒田智子さん:「早咲きでいいんですよ」


花の品種を一つひとつ説明してくれたのが園主の鮒田智子さん。
先月、95歳になりました。


千曲市倉科にある「ジャーマンアイリス観光花園(かえん)」。
今年は少し開花の時期は遅れているそうです。

山崎彩奈キャスター:「これ(看板)はどなたが書いたんですか?」

鮒田智子さん:「あっ、私です。みんな。450枚くらいかな。これがボケ防止、私の」

35年前、夫の繁利さんと始めた花作り。
長い年月をかけ、育ててきたジャーマンアイリスはおよそ9000株にまで増えました。

繁利さんが、8年前に亡くなったあとも園をずっと守ってきました。

鮒田智子さん:「いまわたしが後引き受けてっていうかね、一緒にやっていた通りにやっているだけ」


珍しい品種を求めて県外から株を買いに来るお客さんもいます。
この日は、黒い花を求めて埼玉県から女性がやってきました。

埼玉県から:「あちこちね、探してなくって最後の(頼みの)綱でここまできて。見るだけでね、3年かかって」

鮒田智子さん:「ああ、そうですか、それはよかった」

智子さんはお客さんとの交流が園を続けてこられた理由と話してくれました。

ただ、95歳となった今年。今シーズン限りで、園の歴史に幕を下ろすことを決めました。


鮒田智子さん:「もう高齢ですね。これ以上はだめです」

まだ、花の見頃は先ですが、閉園を知った人が次々と訪れ、別れを惜しみます。

訪れた人は:「新聞見たら今年やめるって書いてあったから、これやめちゃうのもったいないねえ」

訪れた人は:「もう今年で閉園になってしまうということなので、こちらで(買わせて)いただこうと思います」

鮒田智子さん:「まあね、これなくなるとぽっかりしちゃうね」

亡き夫と始めたジャーマンアイリス園。来週には、色鮮やかな花々が見頃を迎えます。

鮒田智子さん:「よく見てもらいたいだけですよね、最後だから…。だから私思い残すことがないようによく見て行ってって」