■負けず嫌いは親譲り?「親が『これが勝負の厳しさや』と…」

自らを「めちゃくちゃ負けず嫌い」だという石川。加えて、7歳で卓球を始めてわずか3か月後に全日本選手権の県予選準優勝・全国大会出場を経験したことが「すごく自分も周りも卓球にのめり込むきっかけになったかもしれない」と振り返った。

“負けず嫌い”の気質は、日々の暮らしの中で培われた。「例えば、家族でケーキとか食べるとなったら、じゃんけんで決めるんですけど、全力でやりますね。負けたからって譲ってくれたこともないですし」「両親が『これが勝負の厳しさや』とか言いながら…。泣いてもくれなかったですから」と石川。こうした経験が、粘り強く勝ちをもぎ取る石川のプレースタイルにつながっていった。

そんな石川が「卓球人生で一番大きな逆転勝利」と振り返るのが、16歳の時に挑んだ2009年の世界卓球選手権。当時世界ランク99位の石川が、ランク10位と格上の帖雅娜(ちょう・がな)選手と対戦し、0対3から大逆転したゲームだ。

4ゲーム目も3対9と追い詰められ、あと2点取られたら負けという状況で「もうここで終わりか…」とまで思ったという石川。だがそこで考えが切り替わった。「ここで捨てるプレーをするのはダメだし、もったいないなって。『頑張ってとりあえず1点でも多く取ろう』ってその時思ったんです」。ここから怒涛の反撃を繰り出し、驚異の逆転劇を成し遂げた。