取締役候補に聞く フジの今後
小川彩佳キャスター:
調査報告書が出されたのは3月末ですから、1か月以上経っての中居氏の反論ということになります。まずは、第三者委員会がどう答えるのかを待ちたいですが、これをきっかけに誹謗中傷が広がっていくことは、どなたに対してあってはならないと感じます。
堤さんは、フジ・メディアHDの大株主のダルトンが提案する12人の取締役候補のおひとりでいらっしゃいますが、どうご覧になっていますか?

堤伸輔さん:
もし取締役になったら、ダルトンがどうこうということではなく、あくまで自分の判断で行動するつもりです。その立場を明確にした上でお話したいと思います。
これまで何も反論してこなかった中居氏側が、今回、初めて反論しました。まず第三者委員会は反論の中身を受け止めて、吟味・精査すべきで、そこから始めるべきだと思います。
小川キャスター:
この件に関して、フジ・メディアHDの取締役の1人は「調査に至らない点があったとは考えていない」と発言していますが、これについてはどうですか。
堤伸輔さん:
フジ側の取締役が言うべきことではないと思います。第三者委員会は、会社から委嘱されて調査報告を出しますが、会社のコントロールを一切受けずに調査から報告までを行い、事前に報告の中身を漏らすことはできません。
日弁連が「第三者委員会はこうあるべきだ」というガイドラインを作っていますが、フジテレビは、それに満たないものを作ろうとして、強い批判を浴びたわけです。現在の第三者委員会はそうではなく、日弁連のガイドラインを満たしているはずのものです。
だとしたら、今回の中居氏側の要求に対して、それを受け止める責任が第三者委員会にあり、それに反論する権利も第三者委員会にあるわけで、これはフジ・メディアHDやその取締役にはないわけです。会社側が、これについて答えるというのは、一種の越権行為だと受け止めました。

藤森祥平キャスター:
6月の株主総会で、堤さんが社外取締役に指名される可能性がある中で、今後のフジテレビをどのようにしていきたいという考えがありますか。
堤伸輔さん:
株主総会で取締役に選任されなければ、このままで終わってしまうし、例えば、フジテレビと大株主で何かやり取りがあって、私がリストから外れることも絶対ないとは言えません。
私は出版とテレビというメディアの世界でちょうど45年仕事をしてきました。もし取締役になったら、経験を生かしたいと思っています。企業のガバナンス、コンプライアンスに関する取材や記事も書いてきましたし、コンテンツ作りについても、自分もプロの端くれだと思っているので、フジの社員の皆さんと協力して再生に寄与したいと思っています。
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<プロフィール>
堤 伸輔
国際情報誌『フォーサイト』元編集長
フジの大株主「ダルトン」が提案する取締役の1人














